「車をできるだけ高く売りたいけれど、売るタイミングって本当に重要なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。実は、中古車の価格は売却時期によって数万円〜数十万円単位で変わります。需要が高まる季節や車種によっては買取店が在庫確保に動くため、査定額がアップしやすいのです。この記事では「車売る時期ベストは」という疑問に答え、2025年最新の中古車市場動向を踏まえて売却に最適な時期や注意点を詳しく解説します。
まずは基本となる時期選びのポイントについて見ていきましょう。
目次
車売る時期のベストはいつ?
車を売るベストな時期は、一般的に需要が高い季節と中古車業界の決算期が重なる時期です。需要と供給のバランスが合わないと価格が下がるため、買いたい人が多く在庫を確保したい時期を狙うのがコツです。具体的には、新生活や異動に合わせた春先(1月~3月)や秋口(9月)が特に人気で、この時期に合わせて業者が仕入れを強化する傾向があります。
また、年度末(3月)や上半期末(9月)になると、自動車販売店や中古車買取店は決算セールに向けて在庫を充実させるため、通常より高額な買取価格を提示することも。これらのタイミングを逃さず売却できれば、査定額アップを期待できます。
逆に、需要が落ち着く4月や年末年始は要注意です。4月は新生活需要が一段落するため中古車需要が減りがちで、年末は繁忙期前で取引が停滞します。そのため、もし可能であればこれらの時期は避けるのがおすすめです。売却時期を検討するときは、このような需要動向と車両の供給状況を念頭に置くと良いでしょう。
需要と供給のバランスが価格を決める
中古車の価格は需要が多く供給が少ないほど高騰します。例えば年度初めの1~3月は新社会人や異動者の車両ニーズが高まり、それに備えて業者が在庫確保に動きます。このため、同じ状態の車でも通常より高額で買い取ってもらえる可能性が高いのです。逆に供給過多となる時期は価格が下がりやすく、例えば4月以降は3月までの需要増の反動で買取相場が落ち着きます。
このように、車を売るには中・長期的な市場動向を意識することが大切です。目先の急騰だけではなく、1年を通した需要の波を把握して、価格アップが見込めるピーク時を狙いましょう。
決算期・新生活シーズンを狙う
日本の自動車業界では、多くの販売店や買取店が3月決算を採用しています。この決算前の1~3月には売上を伸ばすため「決算セール」を行う店舗が増加する一方で、中古車在庫が不足しないよう買取額を上げるケースも少なくありません。とくに3月末は新年度に向けて車がよく売れる時期で、買取額アップの傾向が顕著です。
春先には新生活を始める人や転勤・進学で車が必要になる人が増えるため、需要が一気に高まります。同様に、10月に異動が多い業種ではそれに先駆けた9月の中古車需要も大きく、買取価格が高まりやすい時期です。こうした季節的な需要増加を見越して、売却計画を立てると高値で手放せる可能性が上がります。
税金・車検のタイミングも考慮
売却を考える際には、自動車税や車検の時期にも注目しましょう。日本では毎年4月1日時点で車を保有していると自動車税が課税されます。3月末までに売却を済ませると翌年の税金を回避できるので、その分買取価格に上乗せ交渉がしやすくなります。一方で、車検が間近のタイミングでの売却も検討ポイントです。車検切れ直前だと、買い手は車検費用を負担しにくいため価格交渉で不利になることがあります。逆に車検を通してから売ると車検費用分相当の価値がプラスされやすいですが、そのコストを回収できるか考えましょう。
このように税金や車検は売却スケジュールに直結する要素です。自動車税が新年度分に切り替わる前や、車検が残っているうちに売るべきか、費用対効果も含めてタイミングを決めることがおすすめです。
春や秋が高値売却に狙い目
前述の通り、季節別に見ると春(1~3月)と秋(特に9月)がもっとも売却に適した時期です。春は新生活・決算期にあたるため、中古車の需要が大きく伸びます。自動車販売協会の統計によれば、2024年は3月に新車販売台数が約45万台に達しており、9月もほぼ同じく約44万台と大幅に増加しています。これらの需要増の裏で、中古車業者は在庫確保に動くため、同じ条件の車でも査定額が上がりやすくなります。
秋は転勤や2学期開始などで再び車の買い替え需要が出てくる時期です。9月は新生活ほどではありませんが、中古車需要の山があります。春と秋のタイミングを逃さず売ることができれば、買取店の競争も相まって高額査定が期待できるでしょう。
- 1~3月:新生活・決算期で需要が集中し、高値売却しやすい
4月以降:需要減で相場が落ち着く(特に4月と年末は控えめ) - 7~9月:夏休みや転勤前で需要が再び増加し、8~9月は上昇傾向
12月:年末の需要減で取引が低調
1月~3月:需要増で査定額アップ
1月は初売り商戦、2月~3月は決算期・新年度を控えた需要増で、中古車買取業者の在庫不足が起こりやすい時期です。多くの買い手が車を探すため、高めの査定額が付く傾向があります。業者は3月決算に向けて買取点数を稼ぎたいので、少し高めの買取価格を提示するケースが増えます。もし売却予定があるなら、年明けから3月中旬くらいまでに査定・売却を完了させるのが理想的です。
9月:後期需要で再びチャンス
夏休み明けから9月にかけては転職や転勤のタイミングで車を購入する人が増え、中古車市場も活気を見せます。春ほどではないものの、9月頃は再び需要が盛り上がるため買取価格が上昇しやすい時期です。特に子育て世代のファミリーカーや春の車検切れを迎える車種は売却の狙い目になります。ただし11月頃からは年末に向けて徐々に需要が落ち着き始めるので、秋口を逃さず売ることがおすすめです。
注意すべき売却時期とは?
全体的な傾向として、4月や12月などは需要が低迷しやすいので注意が必要です。4月は年度初めで生活や予算が落ち着かない人が多く、中古車の取引量が減少します。同様に、12月は年末のイベントや仕事納めに追われて車探しが後回しになるため、市場が閑散化します。こうした時期に売却すると、条件が悪くなりやすいので可能な限り避けるのが賢明です。
また、最近の傾向として車両価格全体が高く推移していますが、時間経過により著しく価値が下がるのも事実です。特に新型車の発売前後は旧モデルの相場が下がるため、新型発表が近づいている車種は発表前の売却を検討しましょう。
4月:新生活直後は需要低下
4月に入ると、新生活需要は一段落し、中古車市場は一時的に静かになります。前月まで需要が高かった反動で在庫が増えやすく、買取価格も落ち着く傾向です。4月に売却を急ぐよりも、翌月以降に持ち越した方が条件が良くなる場合もあります。
年末年始:繁忙期の谷間に注意
12月末から年始にかけては、自動車購入意欲が落ち込む時期です。年内に購入を急ぐ人は減り、むしろ1月の初売りを待つ傾向があります。そのため、業者も在庫確保に慎重になり高値を付けにくい状況です。年末年始に急いで売る必要がないなら、少し待って新年度予算が動き始めるタイミングを狙うのが得策でしょう。
その他の要因による注意点
以上に加え、市場変動や経済情勢も価格に影響します。例えば、2025年は輸出需要の変化や世界的なEV普及状況が中古車相場にも影響を与えています。また、車種によって需要の傾向が異なるため、自身の車両特性も考慮が必要です。売却前には最新の市場情報に目を通し、最適なタイミングを逃さないようにしましょう。
2025年の中古車市場動向
2025年に入ってからの中古車市場にはいくつかの特徴的な動きがあります。第1四半期(1~3月)はコロナ後の反動もあって在庫量が増え相場はやや下落基調でしたが、春以降は需給バランスが改善傾向にあります。特に4月末~夏にかけては輸出需要も高まり、相場は再び上昇する見込みです。業界専門家の見立てでは、5月以降は国内外で買い手が増え、価格が安定または上がりやすい環境が続くとされています。
また2025年は車種別にも明確なトレンドがあります。特に注目されたのがガソリン小型車(排気量2000cc以下)で、海外需要の増加により中古価格が急騰しています。トヨタ・ヤリス(ガソリン車)などはユーザー人気に加え輸出バイヤーも増え、2023~2024年式の高年式車の価格が上昇中です。この流れは今後も続くとは限らないため、これらの車種を持つ人は早めの売却を検討すると良いでしょう。
一方、EV(電気自動車)市場は現時点ではまだ厳しい状況です。充電インフラや補助金制度の変化によって今後改善する可能性はありますが、2025年初頭の時点では世界的にEVの普及率は8%程度とまだ低く、内燃機関車に比べると中古需要は限定的です。そのため、EV車を所有している場合は売却時期を慎重に考える必要があります。現状ではハイブリッド車の方が安定した需要があります。
車種・年式別の売り時
車種や年式によっても売り時には特徴があります。特に日本市場で人気の軽自動車やコンパクトカーは常に需要が高く、高年式車ほど高値を期待できます。中古市場では軽自動車は在庫が回転しやすいため、いつ売っても安定した価格が付きやすい傾向があります。販売台数で見ると軽自動車は根強い人気があり、2025年も需要は続く見通しです。
反対にSUVやミニバンなど大型車はアウトドアやファミリー需要が連休や夏場に増えるため、7~9月が売り時になることがあります。大きめの車種は販売価格が高いため、需要が増える時期に売却すれば高額査定を狙える場合があります。ただし大型車は中国など海外市場への輸出も盛んなので、為替や国際情勢による影響も考慮しましょう。
さらに、輸入車は国産車と異なる動きがあります。輸入車は新車価格が高い分、リセールバリューが低めになる傾向がありますが、その分中古車は相対的に低価格で流通し「コスパが高い」ことから人気が出るケースもあります。2025年は特にドイツ車(メルセデス・ベンツやポルシェなど)がコストパフォーマンス面で注目されており、これらを所有している場合は様子を見ながら売却時期を検討しても良いでしょう。
軽自動車・コンパクト車
軽自動車やコンパクトカーは中古需要が安定しているため、売り時に悩みにくい車種です。年式が新しいほど人気があり、高年式の軽トールワゴンやコンパクトSUVなどは売却時の査定額も高めです。需要がピークとなる3月や9月に限らず、年間を通して高値が付きやすいのが特徴です。
SUV・ミニバンなど大型車
SUVやミニバン、大型セダンは新車同様、アウトドアシーズンやファミリーの買い替え需要が大きい夏頃が狙い目です。特に7月~9月はレジャーシーズンなので、これらの車は需要が増えて価格が上がる傾向があります。ただし新型が発表されて型落ちが進むと相場が下がるので、モデルチェンジから時間が経っている場合は早めの売却を検討しましょう。
電気自動車・ハイブリッド車
EVやハイブリッドも売却タイミングが重要です。現状では前述の通りEVは世界的に普及率がまだ低いため、中古需要は限られています。一方でハイブリッド車は燃費性能の高さから国内需要が安定しており、比較的高値を維持しやすいです。EVの場合は値落ちリスクが大きいので、急ぎの売却でなければ充電環境の整備など動向を見極めて検討すると良いでしょう。
モデルチェンジ前のタイミング
どの車種でも、モデルチェンジ前は売り逃し注意のタイミングです。新型発売前に現行モデルを売却すると、旧型となって価格が下がるリスクを回避できます。逆に新型発表後や年次改良後は旧型の中古価格が一気に下がるケースが多いので、自分の車がモデル末期に差し掛かっている場合は早めに市場へ出したほうが有利です。
売却前の準備とコツ
売却を成功させるには、タイミングだけでなく事前準備も大切です。査定前に車の外装・内装をきれいにしておくと印象が良くなり、高額査定につながりやすいです。例えば洗車や掃除機がけをするだけでなく、傷や凹み、異音などを事前に確認しておくことで見落としを減らせます。取扱説明書や整備記録簿など書類が揃っていると、整備状況がしっかり記録されていると評価も上がります。
- 車検や整備:車検が残っていると査定額が上がりやすいですが、近い場合はタイミングに注意。必要なら直前に整備を済ませておく。
- 洗車と清掃:車体の汚れやホイールの錆びなどは査定前に洗浄し、内装も掃除機をかけておく。第1印象を良くすることで査定額が向上しやすい。
- 複数査定の利用:インターネットの一括査定サービスなどで複数の買取業者に見積りを依頼し、条件を比較する。業者同士を競合させるとより高い買取価格を引き出せる。
また、売却先を下取りにするか買取専門店を利用するかも重要です。下取りは購入ディーラーで手続きが簡便ですが、買取店のほうが競争原理で高くなる可能性があります。いずれの場合も時期は価格交渉の材料になるので、「決算期に合わせて売る」「税金が切り替わる前に手放す」といった情報を査定担当者に伝えると、条件が有利に働く場合があります。
まとめ
車をできるだけ高く売るには、需要が高まるタイミングを見極めて売却を計画することが重要です。一般には1~3月や9月が中古車の買取相場が高く、逆に4月や年末年始は相場が落ち着きます。2025年の動向では、特にコンパクトなガソリン車は輸出需要で価格が高騰しているため、早めの売却が有利と言われています。
これらの情報を参考に、自分の車の条件(車種・年式・車検など)を考慮して最適な時期を選びましょう。最後に、売却前には車両の状態を整え、複数の査定を比較するなどの準備を行うことで、さらに高額売却につながります。この記事がお役に立てば幸いです。適切なタイミングで愛車を手放し、ベストな売却額を目指しましょう。
